わぶろぐ。

ミュージカルとか舞台が好きです。普段はTwitterに生息中

2022年も大貫バートにトチ狂いました

どうも狂っていた者です。あれは夢だったのだ…と自分で夢オチ展開だと思っている節があって毎日が現実ではないくらいに楽しかった2か月半でした。今しか観られないので頑張って通いましたが、作品が持っているメッセージに元気づけられてテキパキ動いたら何もかもパーフェクトなくらいに全てが上手いこといったという不思議な体験をしました。

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メリーポピンズーーーーー!!!2022!!!おかえりーーーー!!!!

一部カテコの写真撮影OK(今回は全公演)なのやったーーーー!!

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4年前にこんな記事を書いたわけですが、今年も本当に素晴らしかったです。(もちろんタイトルは盛るのが常識ですからねテヘ)

wablog.hateblo.jp

北斗の拳の後だったので煙突から出てきたときにまず思ったことは…

デッカwwwwwwwwwww

同じ衣装を着てると比較がしやすいのでいやいや身体大きくなりすぎてない?と思って写真を見返してたら衣装さんが夜なべして(かは知らんけど)布を継ぎ足してくれていたのが判明して、ほらねwwwwwwwと大爆笑

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ビフォーアフターがヤバいのでやっぱり努力の人なんだなともうこれだけでわかるのですが!凄いけども!!!けども!!!

 

 

(ここから好きすぎてベタ褒めしかしません)

前回よりも更に洗練されてバートとしてのキャラクターを表現した寸分の狂いもないカートゥーン的な動きと表情。特に足を伸ばしたままジャンプするのが大好きすぎて。あれぞ大貫バート!!あんなの腹筋と背筋がないと軽々できないですよ…とても難しいことを簡単そうにできてしまうというプロフェッショナルさを何回も見せつけてくれました。

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チャーミングさとスマートさを兼ね備えた親しみやすさよ…きっと観た人全員が大貫バートとならすぐ友達になれそうとか思ってるはず。

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↑ 足!足!大好きな足ーー!

 

お芝居も歌もグンとパワーアップしていたし

舞台の真ん中に立つ役者としてのオーラ

生まれ持った体格の良さ

そもそも衣装がとても似合っているし

逆さタップも全然怖くないらしいし

ハマリ役というのを飛び越えて大貫くんがバートなのか?バートが大貫くんなのか?バートを演じるために生まれてきたのではないか?というのはもう常日頃思っています。改めて原作を読み返したときもバートの描写にもうこれ大貫バートのことじゃん!!って思ったりも。滾りすぎて変なゾーンに入ってしまっているのは百も承知ですよ…。オタクって通ってると楽しみ方や見る目が変な風になっていく運命みたいなところがあるけれど、大貫バートはいつも大貫バートとして一切の曇りなく存在していて、邪念無く毎回観られたというのは正直通ってる舞台の中ではかなり珍しいものだと感じていました。

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個人的にはどんなに好きな舞台でも通うには週1くらいが丁度いいと思っているのですが、メリーポピンズは余裕で週4行けましたね。行ってましたね。しかも初見のように心の中でギャーギャー言ってたら終わってましたみたいな感覚でたぶんこういうのこれから先もほとんど出会えないんじゃないかと思っています。

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大貫バートと言えばずば抜けた身体的な表現力。もちろん身体能力も高いけれどやっぱり凄いのは身体的な表現力。パフォーマーとして、稽古をすればできるのその先をいってると思っています。で!それを最大限生かせる役がバートなのは間違いないのです。

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これ何回も言っているのですが、ただ踊りが上手いというものではなく身体を動かすことは台詞を言っているのと同じというくらいで、やってることの次元が普通の人とは違うからこの時点でバートは普通の人間じゃないんじゃないかって思っちゃうのですが…今回はより人間らしさが出ていたと思います。2回目の出演でバートがどういう人生を歩んできたのかメリーとの関係性が強調されていて本編では語られていないバートの人生を妄想するのも楽しかったし舞台上からそのヒントも貰えてたりしたので、あぁ!なるほど!と合致したときはもうテンション上がりましたね。

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ある時、マイケルがメリーから望遠鏡を貰うラストシーンで自分が持っているパレット🎨をじっと眺めてるのを見て…あっ!!もしかして子供の時に貰ったものでずっとそれを使って絵描きしてんのーーー!?!?!?ってビックリしたし、「どんなことだって起きるわ、その気になれば」というメリーの台詞を一緒に口パクで言っていたのでこれは小さい頃からずーっと言われていたんだなとか。屋根の上でメリーが言う「知ったかぶりの子」は反応から見てきっとバート自身がそうだったんだなとか。ミセスコリーの店に行くってわかった瞬間にガバッッッ!!!って反応してめちゃくちゃ嬉しそうな顔をしてるので一緒にミセスコリーのお店にも行ったことがあるし、ジェーンに対してちょうだい!と食べたそうにもしてる(そして全力で断られる)のでジンジャーブレッドクッキーの味も知ってるし、バートもやりすぎて一度メリーが出て行ったからメリーからの手紙の意味を理解してるんだなとか、ジェーンとマイケルが「チムチムチェリー」と歌い出したときの表情からメリーに小さい頃から教えてもらった精神なんだなとか、家宝(=人生の夢)は砕け散ったけれどその先にあるのが幸せなんだなとか。

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子供の頃はあまり大人に相手をしてもらえてなかったけれど、大事なことや愛も含めて初めて色んなことを教えてもらったのがメリーで。普段は良いお兄さんなのにメリーの前だとあんなにデレデレになるのは少年時代を懐かしんでるのと同時にもしかしたら今のバートは一人で生きていくことに頑張りすぎて街のみんなとは仲が良いけれど結果として心許せる相手がいないんじゃないかな…えっ?考えすぎですか…?あれだけ楽しそうにしてるのに最後メリーが居なくなってしまうことを受け入れることしかできない姿にきっと人が居なくなっていく感覚も知っているだろうなと思ったし、ジェーンとマイケルを寂しかった自分のようにさせたくないという気持ちも込みでジョージと向き合っているように見えました。ラストシーンは本当にいつも切なかった。だって行くってわかってて花束あげるためにわざわざ絵を描いてるのあまりにも切なすぎでしょ〜〜〜〜~って限界オタクはいつも心がぎゅーっとなっていました。スペースをやったときにフォロワッさんが大貫バートがつま先立ちでメリーにキスをしようとするのは(前回やってたんですよ)小さい頃からそうやってたからって言ったときはもう尊すぎてその時の記憶がありません

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あとは初演から再演の間に色々変わったなぁと思うことがあって。書き出してみる。

オープニングで緞帳があいてバートが出てきて人差し指をなめて東風を感じ取るのは映画のバートと同じなのですが、これたぶん前回はやってなかったよなぁ…と新たな発見が。小野田バートもやっていたので演出かなと思っています。ちなみにオープニングの歌詞が前回は「ここに今あるならば手繰り寄せ繋ぐ糸が」から「その糸を手繰り寄せ繋ぐことができるならば」に変わってたと思います。たぶん。たぶん。冒頭のチェリーツリーレーンで「6時きっかりに戻る」の後の鞭の音がなくなっていたし、提督がミスラークのお尻を双眼鏡で追いかけなくなったのはとても良かったです(あそこ引っかかってたんですよね)

ジョリホリのジェーンの「へーーんな子守だよね」が「へんーーな子守だよね」に変わっててそのほうがわかりやすいなとか。そういえば同じジョリホリのウィロビーちゃんの吠えが3回から1回になってたなとか。1ラスのチムチムチェリーは大幅に変更がありましたね。前回は手紙のシーンはまだ2人とも屋根の上にいてメリーが飛んでいくときに「あの子たちを見守っててねバート」って言ってたのですが、今回はそのシーンがテンポ良くなっててわたしは今回のほうが好きでした。

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2幕冒頭の強風シーンは大貫バートの場合(カッキーはどうだったか忘れちゃったけど)は家に入った途端に風が止んであれ?っていう芝居をしてたけれど今回はずーっと強風に煽られてましたね。しっかしあの強風シーンのマイムが上手すぎて毎回本当に感動してました…。ほんと最高。マイムと言えば銀行前のが~まるちょばよ!!

ジェーンの「また会えると書いてあった」も前回は話してたけれど今回は歌にのせてたし、ステッピン前の暖炉に吸い込まれるところはメリーポピンズ!メリーポピンズ!って言うのが追加になっていたり。ここ最初はテープで後半からは子役の生声になってたと思うのですが真相はどうなのでしょうか??

ステッピンのバートの振り変更はWEで観たときに予想してたけれどまぁ正直言うとここは煙突ポンポンが好きだったなぁと思ったりもしてました。どっちにしたってかっこいいけど!書き出すと結構ありますね。

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ミュージカルになってるディズニー映画の中でもメリーポピンズは知ってるようで意外と中身は知られていない…っていう作品に分類される気がしますが、やっぱり何回観ても聴いても音楽が素晴らしい〜!シャーマン兄弟らぶ〜〜〜!!!

 

・家の中では王様なジョージ→Cherry Tree Lane

・ジョージが働く銀行→Precision and Order

・失意の中のジョージ→Good for Nothing

が全てA Man Has Dreamsになっていてこの曲がジョージのテーマソングになんだなってわかるし、メリーが登場してジェーンマイケルの部屋に行くまでの音楽が映画と同じように求人広告の曲(The Perfect Nanny)なのは上手い具合に映画に敬意を払ってるなぁとも初見で思ったし…ジョリホリ終わり、先にバードウーマンと会うのか!というミュージカルオリジナルの展開の後に家に戻ったらまたA Man Has Dreamsのメロディが流れたり。Let's hope she will stayは歌う役によって曲がガラッと変わってほぼメドレーみたいなのがまた面白かったりしますよね。

スパカリ(ジョージウェェイシーンは除く)とステッピンの超名曲はあえて1シーンしか使わないようにしてるだろうし。だから名曲キタキタキタァァァ!!っていう高揚感が凄いのよ。

なんと言っても…家宝を割ったときに初めてAnything can happenが流れるところはいつも感動してました。ジョージが幼い心を取り戻すキッカケであのBGMはやばいんですよ…しかもフルートの優しい音色がまた…。このナンバーが丸ごと入ってるCDはドイツ盤のみだったはずなので是非

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Let's Go Fly a Kiteを2幕頭に持ってくる且つフィナーレにまた流すことでこれはバンクス家の再生物語だと感じられる構成は作品としてパーフェクトだし、Practically Perfect(何もかもパーフェクト)は映画にあるSister Suffragetteと同じ曲調になる予定だったけれどカットになった曲なのですが、ジョージスタイルズとアンソニードリューがこの曲に新しく作詞作曲をしたのでミュージカルオリジナル曲だとわたしは思っています。これがまたシャーマン兄弟の既存曲と合うし作品の雰囲気も壊さない名曲だなと思っています。もともと映画にあったんじゃないかと錯覚するほど。

結局のところ、この作品の一番の好きな点はPLトラヴァースの原作とウォルトディズニーの映画とマッキントッシュのミュージカルが見事に融合してる部分なんですよね。有名なディズニーミュージカルのほとんどがウォルトディズニーが亡くなった後にできた神様仏様アランメンケン様の作品だけどメリーポピンズはウォルトが関わっていたのでそういうところもディズニー好きとしては楽しめる要素があったりします。原作を読むとわかりますがミュージカルの中にはかーなり原作の部分が出てきます。マッキントッシュがミュージカル化をPLトラヴァースに申し込んだところ、原作を尊重することという条件が出されたそうです。それぞれが自分の仕事っぷりを発揮しつつそれぞれがお互いを尊重して上手にひとつの作品にまとめあげたのが大好きなポイントです。バートは原作ではほとんど出てこない&絵描きと煙突掃除は違う人でそれを組み合わせて今のバートに仕上げたのはウォルトディズニーのおかげなので感謝しかありませんね……!

 

ということで、トチ狂った2ヶ月半でしたがとても楽しくとても幸せな日々でした。

あと何より!スウィングの皆様の凄まじい活躍っぷりに感動しておりました。一人何枠やるのよ!?しかも枠ごとのポジションというわけではなく、基準となるファーストの人が居てその人がいない場合に歌って、いる場合は歌わないで…みたいにもうパズルみたいな組み合わせで演じてるほうも大変だろうけれど観てるこちらも目が忙しかったです。スウィングは仕事が出来るベテランさんがやるイメージが強いですが今回はとても若々しい初めましての方もいて、色とりどりで鮮やかでした。こういう方がもっと前に出られるような業界になれば良いなぁ…良いなぁ…!

 

↓ いつまでもキスをさせてくれない玲奈メリーとの攻防が可愛すぎた

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どんな時もメリーが大好きな大貫バートに幸あれ!

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 (雨に唄えばのドンもお待ちしております)