わぶろぐ。

ミュージカルとか舞台が好きです。普段はTwitterに生息中

ミュージカル「ノートルダムの鐘」 ペーパーミルプレイハウス公演

終わった瞬間に隣のおじ様が「ブラボー」と小声で呟いたことが頭から離れません!

 

ディズニーミュージカル「ノートルダムの鐘」のトライアウト公演に行って参りました。

以前行なったドイツでの公演は観てないので、今回が初観劇になります。
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ニューヨークから電車で40分程。ニュージャージー州のミルバーン
「ペーパーミル・プレイハウス」にて4月5日まで

無事に到着♪
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駅前に日本レストランがあったので、寄ってみることに。
経営者が中国系なのかな?内装が中華レストランっぽかったです。
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スープ容器の味噌汁は逆に新鮮。豆腐が完全にドライフードだったので、インスタントっぽいです。
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頼んだのはBENTO BOXの照り焼きチキン
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全部で12ドルとこっちにしては安価でした。
あんまり美味しくなくても(笑)久々の日本料理(っぽいもの)には落ち着きます(^^)
 
そして、会場へ。
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ノートルダムの音源が会場外にガンガン流れている!おお!テンション上がる!
\ トプシータービー!! /

グッズ売り場
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基本的にはTシャツ・パーカー・ミニバッグ・ピンバッチくらいかな。思い出に購入
ミニバッグは珍しいですね!この小ささでアメリカで売れるのかな?…と。
ちなみに↓のブラウンタイプとブラックタイプの2種類でした
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劇場のスタッフさんも年齢層が高く、とても親切にしていただきました。
客層は、おじ様おば様の団体か、学生団体…と言ったところでアジア人なんていやしない。

2階2列目での鑑賞(アメリカの劇場はどこも柵が高いので、日本人女性は最前列はあまりオススメしません)
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ここでもおじ様おば様ばかり。両隣とも素敵な方で開演前、幕間に少しお話。隣のおじ様は実際にパリのノートルダム寺院に行ったことがあるそうな。ここはアメリカなのか…??と思えるくらいに上演中もとても静かでしたので、作品に入り込むことができました。ありがたやー。
 
 
 
以下ネタバレ含みます
 

ヤラレタ!!この作品大好き!!!!

 
物語の全体的な感想としては「非常にダーク」ハッピーエンドではありませんので、観た後になんとなく残るモヤモヤ。あの笑うことが大好きなアメリカ人なのに…笑えるところあまりなかったです。
そして、「非常に原作寄り」です。と言っても、原作を読破したことがないので語れるクチではないのですが、反対にディズニーになかったところがたくさん。ディズニーミュージカルなのに、この展開には驚き!ディズニーと言って子供を連れて見に行くと痛い目にあう「イントゥ・ザ・ウッズ現象」と一緒でしょうか…

ディズニー映画はジプシー狩りから始まり赤ん坊を殺そうするフロローが初っ端から描かれているので「悪役!!」という感情を持って見ることができますが、
今回はフロローの弟のJehan Frolloが登場し、物語はそこからスタートするため「フロローも色々あったんだな~根っからの悪役なのかな~?」とそういう目線で見てしまうんですよね。
※今回は、フロローの弟Jehanとジプシーの間に生まれた怪物(カジモド)をフロローが引き取るところから始まります。つまり2人は血縁関係なんですよね。

先ほども書きましたが、結末も違います。ほんとにこれディズニーなの?と何回も自問自答(笑)フィーバスが映画と違った印象にも思いました。結末については…ほぼ原作と同じです。ここでは詳しくは言えないんですが…まぁ知ってる方は…そういうことですので…。

出演者は全部で20人くらい。それ以外に8人×4カ所=32人のコーラス隊が後ろにおり、結果50人以上での大合唱になります。これにはほんとの聖歌隊を聴いているような感覚に陥り、鳥肌がぶわーっと立ちました。最初っからすごいんですよ!あの有名な「あーあーあーあーあーあー」とかもう!すごいんですよ!!

そして、ディズニー版に登場した、ユーゴ/ヴィクトル/ラヴァーンのガーゴイルは出てこず。その代わりにアンサンブルが灰色のコートを着てガーゴイルを表現するシーンが多々有り…つまり、ディズニー映画よりもガーゴイルたくさん!カジモド友達多い…。

カジモドの登場シーンですが、まず最初に奥から「普通の姿」のカジモド役のマイケル・アーデンが「普通に歩いて」登場します。その後、顔の醜さの象徴である黒いメイクを自分で塗ります(今回ボコっとした顔の特殊メイクのようなものはなし)背中の盛り上がりを表現する詰め物をリュックみたいな感じで背負い、緑の衣装を纏います。その場でカジモドに変化していく姿に震えました。
「カジモドはただの人間であり、決してモンスターではない」というメッセージ性を初っ端から強く感じ、「ぬぬ?この舞台はただものではないぞ?」と私も構えました。
反対にラストは、アンサンブルなどほぼ全員が顔の醜さの象徴の黒いメイクを塗ります。
この演出わたしには「人間全員、結局みんな醜い存在」のような感じに捉えることができて、号泣!泣きました。なんとも言えない感情に包まれて。すごいもん観たわーと放心状態。
ディズニーミュージカルの中で一番メッセージ性が強いのはライオンキングかなーと思っていましたが、それを遥かに超えるメッセージ性の強さ!無双並みの強さ!!

演出の面ですが…
舞台の目玉である「鐘」の登場には息を呑みます。デッカイ!それ以外は特にセットチェンジもなく簡素な舞台とも言えるでしょう。ここはもっとお金を掛ければ大掛かりにできますが、最近では映像を使ったり…まぁーそういう手法も素晴らしいと思います。でも、舞台には舞台でしかできない表現もあるので無駄に大袈裟にしていないあたり好みでした。
 
特に『 Top of the World 』 
カジモドがを鐘つき堂を案内するシーンです。ここはたとえば映像を使ったり、高いところで演技したり、大掛かりなセットを使ったり…といったことも考えられますが、ほんとに簡易的なしかも移動がすごく簡単な柵のセット以外何もないんです。なので、エスメラルダはフラットな舞台上でありがちな柵に乗りながら「怖いー!高いー!」とかやってるわけですよ。これ文字に起こすとただの子供騙しか?と思うかもしれないけれど、逆に何もないからこそ客の「想像力」が試されているわけで。しかもノートルダムマジックにかかっているので、見えるんです。想像できるんです。高いところにいるカジとエスメが!
素晴らしいですよね、舞台って。舞台の醍醐味ってこれだよー!これ!と泣きそうになりました。

キャスト別感想
カジモド役 マイケル・アーデン
…ほんと素晴らしいです!これに尽きます!ひたすら真っ直ぐで純粋、無垢、そして怯えている感じが涙を誘う。どこまでも伸びる素晴らしい歌声。名曲「Out there」の素晴らしさったらそりゃもう!外の世界に憧れる青年の心情をよく表していて、心の中で興奮しっぱなし!
今回の舞台「I’m strong」という台詞がキーポイントになっているのですが、この言葉に相応しい身体の強さと芯の強さを持っていたカジモドでした。また、台詞の部分は声を変えてうまく口がまわっていないような喋り方をします。でも、歌うとイケボw
 
こちらでマイケルのインタビューが載っています
「it was really this character. Growing up as a gay boy in West Texas, I definitely felt like a bit of an outcast sometimes -- that there was a world that I would never be a part of. 」
こういう経験からマイケルのカジモドの魅力というものが引き出されているのでしょうかね。
 
フロロー役 パトリック・ペイジ
今回、ディズニー映画の「判事」ではなく、原作の「司祭」としての登場です。スパイダーマンのグリーンゴブリン、ライオンキングのスカーも経験しており、ヴィランズのイメージが強いこのおじさま。冷酷っちゃ冷酷なんだけど、ディズニー映画ほどではない感じで苦悩したりする姿も含め少し人間らしい部分も。30人以上のコーラス隊と歌う最大の見せ場「Hellfire」は1幕の終盤
ゾクゾクするような迫力に大興奮!悪役なのにどこか上品で気高く、そしてエロい…。


エスメラルダ役 シアラ・レンヌ
シアラはピピンのリーディングプレーヤーのイメージ。自分の意思をしっかりと持ち、ジプシーに対してのプライドもある素敵な女性。「ゴッド・ヘルプ」前、聖堂に入って息を呑む姿がとても良くて、「ゴッド・ヘルプ」の歌声も美しかった。カジに微笑む姿がまた可愛くて、そりゃー男3人とも惚れるわなーと。この作品で悲しいのは、全員が同じ神を信じているということ。なのに、分かり合えない(´-`)

総合評価で言うと、まだブラッシュアップできる点はあると思います。が、とにかく素晴らしかったです。期待以上!特に役者陣の力量、何よりアラン・メンケンの歌はとんでもない力があるなと改めて。正直、それだけでお腹いっぱい。
ノートルダムなのでいつものディズニーミュージカルとは違う角度から攻めてくるだろうなと予想はついてましたが、ここまで子供向けじゃないなんて思いもよりませんでした。できることならまた…いや今すぐにでも観たいです!こういった泣けて雰囲気が重くて深い作品…日本人好きな人多いだろーなーと。ノートルダムってもともと濃いオタクのイメージもありますし…日本でやったらリピーター増えそうですね。
ただこれが観光客だらけのブロードウェイでウケるかと言ったら微妙かもしれないです。
ディズニーブランドで客は入るかもしれませんが、子供には微妙だし、作品の雰囲気がサイドショウに似ているので「批評家からの評価も良く、熱狂的なファンもいるが、一般ウケせずに打ち切り」ということになるのではないかなと思ってしまいました。
今回目当てだった、アンサンブル(Jehan役)のジェレミーも素敵でしたっ!あー!観に行ってよかったっっ!
 
 
 
<追記>
その後のノートルダムの鐘の動きを見守っていました。
 
公演終了後に、change.orgという電子署名サイトにて「ノートルダムの鐘をブロードウェイへ!」という署名活動が行われましたが、ブロードウェイには進出しないことが決まりました。
 
しかしながら!!
上演ライセンスを売りに出し(との報道が出たのが2015年7月)他の劇場・カンパニーでも上演することが可能となりました。
さらに、2016年1月に↑この地方公演キャストによるアルバムが発売しました。
ビックリする出来事なのですが、iTunesアメリカ版のアルバムチャートで8位になりました。それだけ注目されていたということになりますね!
 
2016年8月下旬にカリフォルニアのサクラメントにて上演が決定しており
2016年8月~10月にはユタ州の野外劇場、Tuacahn centerでも決定しています。
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さらに!さらに!
2016年冬に劇団四季が上演することが決まりました!!
日本でも観れることができるのですね。まったく子供向けではないのでどうなるか…というところですが。今からワクワクですね!( ´ ▽ ` )ノ