ミュージカル アナ雪カンパニーから見る自分らしさ
たいそうなタイトルをつけましたけれど、別にあんまり中身はございません。
1月にブロードウェイに行ったときにれりごーしてきました。
評判は微妙との噂もあったのですがとりあえずどんなものか観ようと思って。舞台の中身自体はまぁこんなもんかなぁ…という感想を持ったのですが、それ以外にカンパニーで大事にしているであろうことに感動してしまったのです。
まずちっちゃいアナとエルサ(どちらともいわゆる白人の女の子)が出てきて、雪だるまつくろぉぉぉおお~。
かわええなぁ…ともはや孫のように思うわけなんです。
で、そのアナとエルサのパパがアフリカ系、ママがアジア系。
今のブロードウェイは人種がバラバラな親子キャストというものがそれほど珍しいものではありません。日本の人は「肌の色が違うからこれ本当に親子?」って思うのかもしれませんが。
でもパパとママと娘たちの人種が全員違うというのはなかなか珍しくて。この時点で、それが意図的なものだと察しましたし、このカンパニーは人種やマイノリティ的なものに対して積極性があるんだなぁと感じました。
そして、アナ。
その日は2番手のキャストでした。
あぁ~1番手じゃないのか~と残念がってたんですよね。で、今日のアナがどういう役者さんなのかチェックしないで幕が開きました。
子役ちゃんの出番が終わり、大きくなったアナが出てきます。
肌が黒い
アフリカ系のアナでした。
あぁぁぁぁあああ!!!マジか!!!!と興奮しました。
とっても可愛くて歌が上手くて。まさにアナがそこにいました。
以前もハリーポッターの舞台で、ハーマイオニーをアフリカ系のキャストが演じて、ファンからそんなんおかしいみたいな反対意見が出てJKローリングがもともとキャラクターに人種は決めてないというコメントを出したということがあって。
観ながらこの話題をふと思い出しました。
アフリカ系初の○○役とか、アジア系初の○○役とか…ブロードウェイにおける人種問題っていうのも今タイムリーになってて。
特にディズニーの場合は映画のイメージがあるから、欧米で上演される場合アナとエルサは白い肌(それに近い)の人が演じるものだと勝手に思っていました。実際に1番手の方はそうなのですが。でもそういう決め付けってすごく意味がないんだなと気づかされました。本当のことを言うと最初はアナっぽくないのかも?とよぎったのですが、それは凝り固まった無用な考えでした。だんだんとアナになっていって、アナにしか見えなくなりました。役者さんって凄いなぁ。
このアフリカ系のアナでもう一つ思ったのは、どの人種でもプリンセスになれるということ。アフリカ系のプリンセスは「プリンセスと魔法のキス」のティアナが有名だと思うのですが、あのアナを黒い肌の人が演じている。
これ同じ肌の色の子どもたちが観たらどう思うでしょうね。もしも私がプリンセスに憧れを持っているとしたら、すっごい勇気を貰えると思います。違う肌の色の子は、誰かに言われなくても黒い肌の子もプリンセスになれると気づく、またはそういう概念もないくらいのもっと年下の子どもはそれが当たり前なんだと自然に受け入れることができると思います。
ニューヨークはもともとリベラルな考えを持った人が多い街なのですが、こういう子が大人になったら…と想像するとなんだか嬉しくなります。
ちなみに、アナの1番手であるパティは自身の心の問題について語っています。
もちろんキャスティングする際にそういうことを抱えているというのは、選ぶ側の人たちは分かっているはずです。そうなると日本だとそういう人は積極的に選ぶということはあまりないのでは?と。
実際に他人にはなかなか理解されにくい障害を持っていたとある役者さんは仕事ができないという理由で役者という職業を辞めてしまいました。もしも急に出演ができなくなったら…という点もあるでしょうが、そこはアンダーキャストが当たり前な興行形態ならではだなと思うのです。
それと最近、新しいニュースが!!!
次のオラフの役者さんが女性だぁぁあ~~~!!www.playbill.com
雪だるまのオラフにはそもそも性別がないわけで。これもなんとなく映画でジョジュや瀧さんが声を当てていたから、男性がやるものだと決め付けてましたけれど、別に女性でも問題ないわけなんですよね。私は恐らく観に行かれないので、誰か行って感想聞かせてください。2月19日からの登板予定です(他力本願)
それと、オリジナルのクリストフもアフリカ系のキャストですよね。 www.playbill.com
人種や性別の括りやマイノリティ的なことに関してすごく力を入れているアナ雪カンパニーに出会って、一体自分らしさってなんぞや?とまた考えることができました。ブロードウェイに行く度にこういうことを振り返るような出来事に出会っているんです。なんとなく日本で生きているとあまりピンとこないこと。だからブロードウェイが好きなんだなとすごく自覚しました。自覚大事よ。
アナ雪の作品自体のメッセージとカンパニーからのメッセージが見事にリンクして、観ながらジーンと来てしまった日となりました。
様々な面でマイノリティに属してる方はこの世にいるし、例えば私たちアジア系は日本にいるとマジョリティだけど海の向こう側に行くとマイノリティになるように時と場合によって立ち位置が変わるときもある。少数派の人たちは昔から存在していたのに見えてなかっただけであり、存在していなかったわけではない。そういう人たちとどう共に生きていくか、エンターテイメントの世界でもどう活躍をしていくか(雇用主は与えていくか)など、過渡期に差し掛かっているんだなぁと最近ひしひしと感じます。もっと色んなことを学んで吸収して立派な大人になっていこうと思ったのでした。観客の子供率が高い作品であえてこういう方向性に持っていくカンパニー、私は好きだなぁ。
以上、向こうでれりごーしたら、れりごーがれりごーだったお話でした。